2012年9月21日金曜日

クリスチャニティ・トゥデイの「再臨主論争」が破綻

2012年8月17日付けの米クリスチャン・ポストの記事を紹介します。原文は"Christianity Today's 'Second Coming Christ Controversy' Collapses”です。

http://www.christianpost.com/news/christianity-today-second-coming-christ-controversy-collapses-81661/

筆者紹介:ジョナサン・パク、ゲスト寄稿者

ジョナサン・パク氏はオリベット大学ジャーナリズム学部のディレクター。彼はイリノイ州エバンストン市のノースウェスタン大学で2つの学士学位を受け、カリフォルニア州サンフランシスコ市のオリベット大学で神学修士の学位を受けた。ノースウェスタン大学の学生であったころ、パク氏は寄稿者としてクリスチャン・ポストに記事を書いていた。クリスチャン・ファミリーで育ったパク氏は子供の頃から今まで教会に欠かさず通い続けており、現在はEAPCAの教会に通っている。彼はボランティアの奉仕者として数年間聖書勉強の指導や不定期に聖書のメッセージを伝えるなどの奉仕をしてきた。

クリスチャニティ・トゥデイ(CT)は、9月12日に掲載した記事の中で、いわゆる「再臨主論争」の焦点を救済論の問題から過去の終末論の教えに移した。

オリベット大学ジャーナリズム学部のディレクターを務め、以前クリスチャン・ポストの寄稿者でもあったジョナサン・パク氏は、CTの記事に関する事実確認をするため自ら調査とインタビューを実施した。

以下の記事はパク氏によって書かれ、各メディアに送付されたものだ:


CTの情報源となったエドモンド・チュアが張在亨牧師の正統性を証言、まごつく問題提起者ら


クリスチャニティ・トゥデイとのインタビューの中でエドモンド・チュア氏は張在亨牧師が過去にどのように終末論を信じていたのかについて疑問を呈したつつも、これと同時に張在亨牧師がキリスト論と救済論に関しては正統であると確認した。エドモンド氏は「張在亨牧師は十字架の犠牲と贖いについての神学を説教することにおいて卓越していた。彼は多くの牧師がただ1行で言い終わるようなところをうまく取り上げ、神がいかに私たちを愛するのかを伝え、イエスと弟子たちとの関係をどんな映画よりも良く言い表した」と言った。

エドモンド氏は同様に、3週間前の8月23日に自分がマネージャーを務めるシンガポール・クリスチャン・ポストに掲載した個人的な証しの中で、張在亨牧師がキリスト論と救済論において正統であると保証した。彼の証しは「ダビデ張の正統性:ある元関係者の視点」と題されており、張在亨牧師が創設したオリベット大学の正統性も保証した。

エドモンド氏は「私は張在亨牧師が罪が贖われることについて正確に宣べ伝え、教えたことを保証できる」と述べ、サンフランシスコのオリベット大学のメインキャンパスで張在亨牧師の説教を聞き、説教を筆記したものを読んだと明かした。「(CTの一番目の記事の中で)今まで主張されていたことは間違いであり、張在亨牧師は十字架を失敗だと考えておらず、勝利であり、罪からの贖いをもたらすものだと考えている。張在亨牧師の説教や張在亨牧師が教えたことを書き留めたものを見たり読んだりし、そう言える」とエドモンド氏は明確化した。

実名にせよ匿名にせよ、他のすべての情報源となった人物と同様にエドモンド氏は、
「張在亨牧師は決して自分を『再臨主』だとと教えたり、暗示したりしなかった。私が張在亨牧師の説教や教えを聞いた中で、私は一度も彼が自分をキリストだとかメシアだとか宣言したことを聞いたことはないし、どのような手段によってにせよ自分がそのように信じているなどとほのめかしたこともない」とCTに語り、また自分の証しの中で述べた。

「張在亨牧師の教団の教会に私が入った本当の理由はまず、十字架にかかり、復活されたキリストの栄光強調する教えが素晴らしく、人生を変えるほどだったからだったということは言っておかなければならない。」とエドモンド氏は加えた。

エドモンド氏の8月23日の記事での主張に、CTははじめはまごついたかもしれない。張在亨牧師に対する問題提起者はほとんどが東アジアの人物であったが、その中でエドモンド氏は張在亨牧師がキリスト論と救済論に関して正統だと強く弁護し、その結果「張在亨牧師に関係する人々がイエス・キリストの働きと十字架の歩みが失敗だと信じている」という主張が虚偽であることを証明したからだ。


エドモンド氏の新しい造語「非パルーシア後千年王国説」

8月23日の同記事で、エドモンド氏はEAPCAの教団に属する何人かが「非パルーシア後千年王国説(non-Parousia Postmillenialism、以下NPP)」とエドモンド氏が呼ぶ説を信じている、もしくは教えられたとと想定した。エドモンド氏はNPPを数人の個人が教えられたのは2006年以前までであり、張在亨牧師はその年に人々がそれを教えるのを止めさせた、とまで主張した。NPPはエドモンド氏による造語と見られる単語は、キリストの再臨を文字的な出来事というよりは象徴的な出来事とする解釈を意味している。

しかし、この記事の筆者の見解ではNPPはEAPCAの終末論に対する見方として正確ではない。

この記事の筆者は2005年から個人的にEAPCAの教会に通っているが、前千年王国説や後千年王国説もしくは無千年王国説に関するどんな説に関しても教会で教えられたことや説教で話されたなどという記憶はない。オリベット大学においては、組織神学の授業と、非常に簡潔にではあるが新約聖書の授業で3つの主要な終末論に関する説は教えられていたが、その中で教授らがどれか一つの説を他の説よりも支持したりすることはなかった。

EAPCAの書記であるアンソニー・チュウ牧師は、NPPが同教団の正式な説であることなど決してないと述べた。

「NPPすなわち『非パルーシア後千年王国説』という単語は、私たちの信仰を説明するためのエドモンド・チュア氏による造語だ。グーグルでこれを検索しても関係ない結果しか出てこない。チュア氏が自分で作った単語のようだ。」とチュウ牧師は語った。

エドモンド氏本人も「張在亨牧師の実際の説教の中ではこのような教えを聞いたことはない」と言ってこれを認めている。

チュウ牧師はまた、エドモンド氏のNPP説や張在亨牧師をキリストだと信じることを教える、もしくは奨励するようないかなる講義もなかったと述べた。同教団はその信仰告白によってイエス・キリストその方が力と栄光の中で再臨されることを常に証言していると語った。

EAPCの公式な信仰告白を以下に抜粋する。「私たちは私たちの主イエス・キリストは神が、肉体を取ってこの世に来られた方であること、乙女より生まれたこと、罪なく人として生きられたこと、神聖なる奇跡をおこなわれたこと、身代わりとして罪を贖うため死なれたこと、体の復活されたこと、昇天されたこと、とりなしの働き、力と栄光の中で再び来られることを信じる。」


エドモンド氏のEAPCAの終末論に関する主張は大幅に変わった

エドモンド氏は、8月の下旬まではEAPCAの神学に関する自分の主張を支持しており、終末論に関してだけ疑問を呈していた。

しかし、「張在亨牧師の正統性」についての記事を書いた数日後、エドモンド氏はシンガポール・クリスチャン・ポストの続編記事の中で自らの主張に矛盾することを主張した。その記事は
クリスチャン・ポスト紙の編集規定に違反したため掲載後ウェブサイトからすぐに削除された。(エドモンド氏の一番目の記事はシンガポール・クリスチャン・ポストのウェブサイト上に残っている。)

しかし、論争の的となっているエドモンド氏の主張のうち多くは、CTの9月12日の記事の中で再掲載された。エドモンド氏はCTに「一度は張在亨牧師は新しいキリストであり、救世主的存在で、地上に神の国を成す信じたし、イエスの名によって祈る代わりに張在亨牧師の名によって祈った」と語った。

これらの主張は張在亨牧師の祈りと説教の中にあるイエス・キリストに対する明確さについて以前エドモンド氏が主張していたことは対照的であり不可解だ。

エドモンド氏は8月23日の記事で「張在亨牧師は祈りの中で三位一体の神に栄光をささげ、神に祈るときは毎回イエス・キリストの名によって祈った。この事実からすると、実際に自分をキリストだと信じているとすれば、イエス・キリスト名で祈ることは不合理なことになる。
」と記した。エドモンド氏の続編の記事はこのように矛盾するようなことと、論理が破綻していることがあり、ある程度の読者らが二番目の記事がまったく別の人物によって書かれたものだと確信するほどであった。

オリベット大学神学部・神学校の学部長を務めるドナルド・ティンダー教授はエドモンド氏の最初の記事にある説明は「助けになる」と見たがエドモンド氏が後に送付したEメールと二番目の記事は捏造されたものであるか、エドモンド氏が何らかの方法で圧力を受けて書かされたものだと考えた。そのような懸念について、あるEメールの中でティンダー教授はCTの「再臨主論争」の記者であるテッド・オルソン氏に向かって「主張の中に矛盾があまりにも多いため、もしエドモンド氏がこれらの矛盾する主張を実際に書いたのなら、エドモンド氏の中には重大な混乱があるか、非常に圧力がかかっているはずだ」と述べた。

ティンダー教授は、クリスチャニティ・トゥデイ(CT)の編集者を10年間務めたが、そのCTのテッド・オルソンに対して「エドモンド氏の極端な発言は張在亨牧師や張在亨牧師の関連する団体に対する他の根拠なき非難にあまりにも類似している」と述べた。

「しかし、エドモンド・チュア氏のEメールには『私たちに対する攻撃が誤解、誤解釈、全くの捏造、そして可能性としては健全な教理を保つことを目的とするよりは、ただ不和の種を蒔くことを目的として関与している誰かが抱いている敵意に基づいている』という私たちの主要な主張の証拠が含まれているという長所がある」とティンダー教授は続けた。

この記事の筆者は自身の証しをクリスチャニティ・トゥデイのオンライン編集者のテッド・オルソン氏にも送付した。その証しの中で、筆者は「イエス・キリストの働きが十字架の上で完了したことを信じること(健全な救済論)」と「再臨主(張在亨牧師)がイエス・キリストの『未完』の働きを成し遂げる必要があると信じること(終末論の問題)」の両方を同時に信じることは不可能であるとを指摘した。イエス・キリストの働きは、完了と未完の両方が同時に成立することはできない。エドモンド氏と同様にこの記事の筆者もイエスの十字架がが有効であり、完全であるというという教えを受け、その信仰ををずっと堅持している。

エドモンド氏との個人的なやり取りから、この記事の筆者はエドモンド氏が十字架の勝利を認めていると確信した。この記事の筆者はエドモンド氏の2番目の記事が彼の本当の信仰を反映したものではなく、おそらく彼の元々の証しを変更させようとする圧力を受けた結果、掲載されたものだとと信じている。


そのレッスンを誰が教えたのか?ボラ・リン氏ではなく、エドモンド氏の妻であるスーザン氏

CTの報道によると、エドモンド氏が自身の妻であるスーザン氏から一連のいわゆる「極めて重要な最後の」ヒストリー・レッスンを終了し、その講義によって張在亨牧師が再臨主だと告白するように導かれたのは2005年の9月6日だという。CTの記事はまた、これらのいわゆるヒストリー・レッスンの抜粋を取り上げている。CTはこの講義が2002年にボラ・リン氏というある聖書の講師によって伝えられたと主張している

エドモンド氏は、自身の意見の中でリン氏が張在亨牧師の「チーフ・ティーチング・アソシエイト(教育主任)」だと説明し、エドモンド氏が張在亨牧師が再臨主だとと信じるよう「奨励」するためにスーザン氏によって使用された終末論の教えはリン氏によるものでその責任はリン氏にある、と主張した。

クリスチャニティ・トゥデイは8月15日の記事の中で、いわゆる「ヒストリー・レッスン」は40個あると記した。しかし、9月12日の記事ではクリスチャニティ・トゥデイはこの主張を支持する情報源の人物として、少数の名前しか挙げることができなかった。しかも少数の講義、特にオリベット大学理事長の妻であり、三児の母であるボラ・リン氏によってなされたという講義の信憑性さえ論議されている。リン氏はエドモンド氏と彼の妻がCTの記事の中で言及したような講義など決して教えていないと、否定している。

リン氏はエドモンド氏が言及した講義の筆録は、エドモンド氏が該当の教会に通い始めた年よりも数年前にされた講義のことだとと指摘した。リン氏は「新しいメンバーを張在亨牧師が『再臨主』だと告白させるように導くことを意図した講義などない。私がそんなことを目的にバイブルスタディーを教えることなどあり得ない。なぜなら私は決して張在亨牧師が『再臨主』などと信じもしていないし、告白もしていないからだ。」と語った。

リン氏は「他の多くの福音主義のクリスチャンと同様に、私は再臨が文字通り起こり、イエス・キリストその人が再び来られると認める」とエドモンド氏に対して応答した。リン氏は使徒の働きを引用し、「あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見たときと同じ有様で、またおいでになります」と述べた。

「私はナザレのイエス・キリストを待ち望んでいます」とリン氏は話した。

リン氏はなぜエドモンド氏がリン氏を「張在亨牧師の教育主任」だと考えるのか理解できないと言った。リン氏によると自身の人生の中でエドモンド氏と出会ったのは、あるフェローシップで2006年の夏季伝道訓練の行事の期間中の一度だけしかないという。リン氏は子育てに忙しく、2004年からは積極的に宣教に携わっていないとつけ加えた。

最後にリン氏は「もしクリスチャニティ・トゥデイが私に一度でも連絡を取ったのなら、私は『エドモンド氏が彼にこれを教えたのは彼の妻だと述べたのだから、CTが精査するべき人物は私ではなくスーザン氏ではないのか?』と単純に質問しただろう。私はスーザン氏には一度も会ったことがないが、私はスーザン氏と彼女の家族のために祈る。また、私は人々の誤解を悪用する行いが止むようにCTのために祈る」と述べた。


スーザン氏の教師が公言、スーザン氏の話は「不正確」で「誇張」

CTに掲載されたスーザン氏の話ではスーザン氏の信仰の遍歴が述べられ、彼女のキリスト教への改宗を始めとし、救済論と終末論に関する混乱についても言及している。

「私は洗礼を受けたが、洗礼や罪の意味を知らなかったし、救いについてはっきりと理解してもいなかった。私は、終末つまり審判の日がほんの少し怖かった」とCTに述べた。

この記事の筆者はCTが記事の中で「スーザン氏の教師」として言及したリ・ジホン氏へのインタビューの中で、スーザン氏の話を検証しようと試みた。リ氏はスーザン氏がCTに語った話には、ある程度は真実が含まれているものの、多くの部分は非常に「誇張」されており、「歪曲」されていたと述べた。

スーザン氏がリ氏を知るようになる以前、スーザン氏は中国の過激なクリスチャンのグループのメンバーであったという。リ氏は「スーザン氏がCTに対して示したように、スーザン氏は終末論に関して極端に原理主義的な観点を持っていた。私はまた、スーザン氏が『以前自分に聖書を教えた人は40日の断食を実践していた』と私に述べたことも記憶している」と述べた。

リ氏は二人が一緒に聖書を勉強したことを認めたが、リ氏がスーザン氏に『新しいイスラエル』と呼ばれるメッセージなど教えたことはない、と否定した。また、リ氏はスーザン氏に対して張在亨牧師が誰だと思うかなどと質問したことなど決してない、と否定した。リ氏はまた、スーザン氏から「張在亨牧師が『再臨主』だ」などとの告白を聞いたことなど決してないと語った。

リ氏は「私は自分自身そのような信仰を持っていないし、スーザン氏に対してそのようないかなる告白を奨励するようなメッセージも教えたこともない」と述べた。

それにもかかわらず、スーザン氏はCTに対して、「リ氏によって『新しいイスラエル』という講義を教えられた後で、自分が張在亨牧師を『再臨主』として告白した」と述べた。スーザン氏はまた、そのメッセージが2002年の7月20日にカリフォルニア州バークレー市で行われたある教会の修養会でボラ・リン氏によって伝えられた説教を元にしていると主張した。

しかし、リ氏は「自分はスーザン氏がリン氏のものだと主張しているそのメッセージを知らない。もし、ボラ・リン氏が何か講義をしていたとしても、私たちは中国にいたので私たちがボラ・リン氏の講義をバークレー市で聞いたなどとはあり得ない話だ。何にせよ、仮に私がボラ・リン氏の説教を聞いたとしても私はそれを理解することなどできない。私とスーザン氏の2人とも英語もわからなければ、韓国語もわからないのだから」と述べた。

ボラ・リン氏はこの記事の筆者に対して「自分はCTが書いているような講義はどれもしたことがない」と述べた。リン氏は「自分は2002年の7月20日にはバークレー市にいたことすらない。その時はニューヨーク市に住んでいた」と語った。

リン氏は「スーザン氏は私がこれらのメッセージをと教えたと言ったが、私はそのようなことを教えたことがない。私はスーザン氏には一度も会ったことがないが、CTの記事の中でスーザン氏が言及したメッセージは福音主義のキリスト教に敵対する人物らによって偽造されたのだろう、と私は疑っている」と述べた。

リン氏は「私や他の福音主義のクリスチャンを何年にも渡って攻撃し続けている人々がいる。あるブロガーと異端捏造者のことだが、簡単に言うと彼らは嘘と私の名目になっている虚偽の文章をインターネットで拡散させ、若いクリスチャンらに混乱をもたらしている」と語った。

スーザン氏のバイブルスタディーの教師であるリ・ジホン氏はスーザン氏がCTに語った他の話について「スーザン氏は自分の人生の詳細について多くのことを誇張して話した。スーザン氏が『宣教師』としてシンガポールに派遣されたとしているが、実際は留学生として自分で行っただけだ」と述べた。

リ氏は「そして、そこで張在亨牧師に付き添ってもらっていたという話は、ただ正しくない」と話した。

リ氏は回想し、「スーザン氏はFTMSグローバルアカデミーという学校で勉強をするためにシンガポールに行った。スーザン氏は私に『私はオーストラリアに移民しようと考えていたが、考えが変わってシンガポールに勉強しに行こうと思った』と言っていた」と述べた。

リ氏は「私はなぜスーザン氏がCTに、両親から『自分の宣教活動の支えとするための資金』を貰うために嘘をついた、と言ったのか解らない。スーザン氏は自分の学費を両親から貰おうとしていたのだが」と語った

「私はスーザン氏が以前のような過激な原理主義の終末論のグループに舞い戻ってしまわないかと本当に心配している。私はスーザン氏の信仰が良い方向に向かうよう心から祈る」とリ氏は述べた。


さらなる歪曲が複数発覚

この記事の筆者はまた、CTが言及した2004年に香港で行われた会議に参加した香港のナウェイ・チェン牧師と連絡を取ることができた。チェン牧師は「スーザン氏は張在亨牧師がホワイトボードを使って解説しながら終末論の講義を教えたと主張しているが、その主張は嘘である」と述べた。

チェン牧師は「その施設にはホワイトボードすらなかった」と語った。

エドモンド氏は自身の役割と立場について幾つか主張しているが、チェン牧師に真偽を確かめたところ、CTの記事の中でそれらの主張は大きく誇張されているという。

例えば、CTはエドモンド氏を「その運動における最高指導者ら」の一人と呼び、シンガポールの教会の奉仕を指導し、世界総会(World General Assembly、WGA)の東南アジア代表としても奉仕していたと記した。

チェン牧師は「私は彼らがどのようにシンガポールと東南アジアの『最高位』の代表者として指名されたなどという結論に達したのか解らない。シンガポール全土でここ6年間メンバーはエドモンド氏とスーザン氏の2人しかいなかった」と述べた。

「エドモンド氏とスーザン氏があたかも全東南アジアの教会とフェローシップのメンバーの信仰を代表するかのようにしてCTに話をし、誰に対してにせよ誤解を元にした間違った印象を与えていることを見るにつけ、私はこのような事態は常軌を逸していると思う」とチェン牧師は語った。

チェン牧師は「エドモンド氏がアメリカの教団であるEAPCAに属していると言うのは不正確だ。エドモンド氏はEAPCAではなく『フェローシップ』に属していたのでそのように話すべきだった」と述べた。

チェン牧師は「EAPCAはアメリカの教団であり、(中略)エドモンド氏は自身をEAPCAという名前に関連付けることが不適切であることを知っていたはずだ。エドモンド氏がEAPCAの名前を持ちだしてきた事実からすると、私にはエドモンド氏がこの論争を実際よりももっと国際的で大きな論争に見せかけたかったのだろうと思える」と語った。

これに加え、「閲覧制限が施された」チャットについての彼らの主張もまた正当性に疑いがかかっている。オリベット大学学生部長のナタナエル・トラン氏はCTが言及したチャットの信憑性と内容、
特に「『世の中からスタッフや教授ら』を雇用すれば『非常に危険』なことになりうる」などとチャットで述べられていたという主張に対して反証した。

トラン氏は「オリベット大学の教授のうちほとんどは、EAPCA教団に所属していないし、当大学は現在の状況を『危険だ』などとしたことはまったくない」と述べた。


神学的検討の会議にタイミングを合わせて記事を掲載したCT

CTはある委員会によって行われた会議の同日か、その会議に近接した日に「論争」についての記事を2つ掲載した。その会議では、南部バプテスト連盟のライフウェイ・クリスチャン・リソースがオリベット大学にニューメキシコ州のグロリエッタ・カンファレンス・センターを売却するためにもっている話し合いの一部として、神学的な検討を行なっていた。売却案件は検討の結果次第で成立するという。CTは2つ目の記事を9月12日、すなわち会議が行われていたその日に掲載した。


「正義のための嘘」などという教義はない

CTとのインタビューの中で、エドモンド氏は6年前にニューヨーク市で参加したある夏季伝道訓練でボラ・リン氏から「正義のための嘘」について教えられたと主張している。しかし、ボラ・リン氏はこの問題提起についてリン氏の信用、特にイエス・キリストを信じる信仰告白を毀損する試みの中で「完全に捏造されたもの」だと述べた。

「私は『正義のための嘘』を教えたことなどまったくないし、嘘が正当化されるなどと教えたこともない」とリン氏は述べた。

この記事の筆者はその夏季伝道の行事に参加した一人として、エドモンド氏の主張を否定するリン氏の発言を保証することができる。

「キリストの45年の働き」についてリン氏が教えたという「秘密の講義」などというものはなかった。CTはエドモンド氏と「他の7人」が選び出されて「秘密の講義」を聞かされたと報道した。しかし、その夏季伝道の行事の参加者はもともと7人か8人ほどしかいなかった。(エドモンド氏は複数の人に送ったEメールの中で、そこには8人の参加者がいたとしているが、この記事の筆者は参加者は7人しかいなかったと個人的には記憶している。)エドモンド氏を含めた8人全員が招待されたとすれば、もはやその出来事を「秘密」などとは呼べない。

この記事の筆者は、リン氏がその訓練中に別途に講義をしたとき、リン氏はイエスの人生について、乙女より生まれたことから、十字架の勝利まで教えたということを覚えている。この記事の筆者自身は、リン氏がイエスが十字架の上で勝利したことを宣べ伝えたことを聞いて、イエス・キリストを自分の救い主として信じる信仰が大いに強められた。

CTの記事の中で、香港でイエス青年会を調査していた独立委員会のメンバーであるカーバー・ユー氏は、イエス青年会(YD)というフェローシップが「正義のための嘘」を教えていたと問題提起をした。2008年にその委員会は「YDがイエスが一度目に地に来たことが失敗であり、YDが正義のための嘘について教えた」とする報告書を作った。ユー氏はCTに対して、「YDがそのメンバーらに対して嘘をつくように教えたと確信した」と語った。

あるYDの代表者はユー氏が行った「正義のための嘘」についての主張が虚偽であると述べた。彼女は「人々を『正義のための嘘』を実践しているとして非難する行為」は、実際には東アジアで魔女狩りのような行為を行なっているグループらが用いる技法だと語った。

そのYDの代表者は「彼らの議論が論理的に破綻するとき、通常彼らは『人を嘘つきに仕立てる』など、個人的な人格攻撃に攻撃手法を転換させる。そのような非難によって、クリスチャンであるにも関わらず、私たちを『正義のための嘘』の教義を教えているかのように仕立てる行為は、これの典型的な具体例だ。私たちがイエス・キリストの十字架の上の完全な勝利を信じると明確に信仰告白をするとき、問題提起者らは検証可能な証拠をもって反証することができないため、『彼らは自分の信仰について嘘を言っている』と言って論争に勝とうと試みる。このようなときは、問題を論理的に検証するのが正しい。しかし、この攻撃手法を使っている問題提起者らは、自分たちが論理的に負けると対話をまったく止めてしまう。これはアジアで反キリスト教のグループらがクリスチャンを攻撃するときに用いる典型的な手法だ」と書いた。

「これら幾人かの問題提起者らは制限なく何に対してでも、この『正義のための嘘説』を使って私たちを嘘つきだと非難するようだ。それが私たちの信仰であろうと、奉仕であろうと、彼らの主張に合わない事実に対しては全てだ。

私たちのイエス・キリストに関する心からの信仰告白を議論する権利を誰が持っているのか?私たちの良心は私たちのイエスへの告白についてはっきりとしている。この『正義のための嘘説』を持ちだしてこの信仰告白を粉砕しようと試みることは悪辣だ。私たちを攻撃する問題提起者らこそ嘘をついているのではないか?」と彼女は続けた。


「信仰と家庭」礼拝であり、結婚式ではない

CTはまたスーザン氏とエドモンド氏は2006年に69組のカップルとともに結婚式を挙げたと記した。(Faith & Family 財団のスタッフに確認したところ、CTの報道のように70組ではなく、69組のカップルが参加した。)

中国のFaith & Family 財団によると、実際に行われたのはCTが書いたような結婚式ではなく、礼拝であった。この財団は若いクリスチャンのカップルと家族のカウンセリングと支援を行なっている。

同財団は「その行事は結婚する前に他のクリスチャンとともに自分たちの家族が神に仕えることを願うカップルのためのキリスト教の礼拝だ」と述べた。エドモンド氏が参加したFaith & Family 礼拝には69組のカップル以外にも500人が参加していた。

この礼拝は結婚しようとするクリスチャンの父母の多くが仏教や他の宗教に属していという東アジア特有の家庭環境を加味して始まった。クリスチャンの父母が伝統的な方式で結婚式を挙げようとしているようなカップルのために、Faith & Family 礼拝によって始めに教会という公的な場でイエス・キリストを中心にして家庭を作る決意があることを宣言するものの、伝統的な形式で結婚式を挙げれるよう父母を尊重する。

Faith & Family の職員であるミンファン・ジン氏によると、参加者は必ず「Faith & Family は結婚式ではなく、キリスト教の礼拝である」という宣誓書にサインをするという。ジン氏は「カップルは指名による結婚はしない。そうではなく、カップルはコートシップの期間を経た後に礼拝参加を申し込む」と述べた。

CTの記事はまた、張在亨牧師とFaith & Family 財団の関係を歪曲している。CTの報道によると、その礼拝は2006年10月30日に行われ、CTは張在亨牧師の誕生日に合わせて行われたと主張している。しかし、その礼拝に参加したバート・チェン氏によると、礼拝の期日は10月29日であり、30日ではなかったという。チェン氏はまた、それが「結婚式ではなく、礼拝であった」と確証した。

付記:年配の韓国人の慣習であるが、張在亨牧師は太陰暦(10月30日ではない)に誕生日を祝う。

この記事の筆者の見聞したところによると、問題提起者らが自分らの主張を正当化するために日時を偽証したり、事実を歪曲したりするのはこれが初めてのことではない。


紛争を解決するための聖書的な方法


CTの記事の中で言及された団体らによると、CTは聖書的に紛争を解決しようと努力した人々のことを「脅し」として不正確に脚色しているという。

CTが列挙した機関の一つである日本クリスチャントゥデイの記者、井手北斗氏は「実名や匿名の数人の人物らが、聖書的な方法で苦情を解決するのではなく、自分たちの苦情を一次情報の情報源となってメディアで公表するという選択をしたことが、最も悪かった」と述べた。

井手氏は「本当に困っていた信徒らが『教会の中で対話することを通して困難な状況を解決しよう』との勧めに耳を貸さなかったことにより、横暴な商業的既得権益やその他の利得を貪ろうとする試みに巻き込まれて被害者になってしまった。彼らは非倫理的な動機によって扇動的な記事を書いて、はっきり言うとオリベット大学がグロリエッタ・カンファレンス・センターを購入する案件を破談させようとしている」と続けた。

アンソニー・チュウ牧師によると、この問題に関してもし本当に誤解があるのなら、キリスト教界の指導者とともにこれを解消するのが正しいことだという。

チュウ牧師は「もし誰かが教えや信仰について誤解をもつなら彼らはまず最初に教会で対話をはじめなければならなかったはずだ。しかし、その人々の誤解が、ある雑誌や人物らによって利用されたようだ。これは本当に悲劇だとしか言えない」と述べた。

「聖書には、クリスチャンの間で生じた意見の相異をどのような過程を通して解決に導けばよいのかがマタイの福音書18章で明確に説明されている。まずは行って、ふたりだけのところで責め、もし聞き入れないなら、ふたりか三人の証人の前で面会し、最後には教会に告げる。もしこれらのことに努力しても聞こうとしないなら、世俗的な場に問題の仲裁を依頼する」とチュウ牧師は語った。


論争は失墜し

CTは再臨主「論争」をあたかも大規模な世界的な問題であるかのように見せようとした。しかし、2つ目の記事では、CTは提起した問題を「キリスト論と救済論に関するもの」から、「10年前に教えられたと主張されている終末論」に収縮させた。CTは最新の記事で新しく実名の情報源として東アジアの人物らを2人取り上げた。その2人は終末論に関する問題を提起した。しかし、その問題はある聖書講義に基づいたものであり、その聖書講義は信憑性が立証されていない。そのため、「世界中の多くの人の総意」から「アジアの何人かのする主張」へと、CTが論争だと呼ぼうとした「それ」は失墜していったようだ。

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