2022年6月21日火曜日

クリスチャントゥデイに関して「何があったのか」

僕は、クリスチャントゥデイというキリスト教のインターネット新聞の編集長をしております井手と申します。

クリスチャントゥデイに関して「何があったのか」についてお話ししたいと思います。

この記事を読む人は多少なりとも宗教、人によってはキリスト教に関係のある方々が多いと思います。クリスチャントゥデイは世界中すべての国のキリスト教のすべての教派に関して、日本語で新しい出来事を報道しているメディアです。特に対象読者をキリスト教徒に絞っているわけではなく、キリスト教に関する世界・日本で起きたあらゆる出来事に関して関心をもった日本語話者が読む媒体となっております。2002年に創業し、今年5月に創業20周年を迎え、読者層の規模としては月間30万回から40万回の閲覧数を数えるほどに成長しました。ことキリスト教に関するニュースを得るという目的のためには、キリスト教界の内外である程度使われており、役に立っているとの評価も得ております。

また、そのようにして読者の皆さんに公器として、公僕として、情報を提供する仕事をしてきたつもりです。クリスチャントゥデイをまだ利用したことがない方も、例えばウクライナ戦争におけるロシア正教とウクライナ正教の動きなどに関しては、一般の新聞より詳しく正確な報道をしておりますので、ニュースを通した貢献ができると思います。クリスチャントゥデイを必要としてくださる方々がおられ、またこれからお役立ちできる面があるという事実をまずお伝えします。

クリスチャントゥデイには競合する新聞があります。「クリスチャン新聞」といいます。クリスチャン新聞は紙媒体をキリスト教の教会に販売する形態の新聞で、おもな読者はキリスト教徒だけです。クリスチャントゥデイとは、キリスト教界内の読者を共有するという一部の点で、競合しています。某人物は、1980年からクリスチャン新聞の記者、編集長を長年つとめ、現在は顧問という肩書を持っています。彼は2004年から現在に至るまで「クリスチャントゥデイを読むな。関わるな。取材を受けるな。広告を掲載するな。寄稿するな。なぜならクリスチャントゥデイは悪いからだ。悪い理由はこれこれだ」という事実に基づかない情報を広めて、クリスチャントゥデイに風評被害を与えてきました。ただ、クリスチャントゥデイが即座に対処できないような方法をとっていました。それは自分では直接やらずに、自分に賛同する人にやらせたからです。

彼や彼を支持する人たちのことを、実質を表すため、また便宜上、差別扇動者と呼称します。

2006年には差別扇動者は、あるキリスト教の教団の牧師を自分の賛同者にして、クリスチャントゥデイを誹謗中傷するブログを書くことに協力しました。このブログの内容が事実でなく、違法なものであったため、裁判所はブログを削除する命令を出しましたが、裁判に訴えてから判決が出るまで7年もかかりました。裁判を意図的に遅らせる戦略で風評被害を長引かせようとしたからです。2013年に裁判が結審し、違法判定を受けたブログが削除され、被害も減りつつありました。また、クリスチャントゥデイは新しく様々な教派から記者を雇って記事の量と質を向上させ、閲覧数も成長していきました。

ところが、2017年末頃から、差別扇動者は、自身のキリスト教界における影響力を活用して、キリスト教の教団の中では日本では最大規模の日本基督教団の一部の意思決定者に介入し、事実に基づかない否定的な声明を、教団総会議長に出させました。また、これに先立って、日本基督教団のある牧師を通して、クリスチャントゥデイが雇った記者たちに事前にこの議長声明を出させる計画を伝え、議長声明が出る前に、クリスチャントゥデイを否定する内容の従業員声明を出してクリスチャントゥデイを辞めるよう脅し、それを実行させました。

また、2019年に、クリスチャントゥデイに関して事実に基づかない誹謗中傷を書いた匿名の、誰が作ったか分からないブログが現れました。このブログの内容は、日本基督教団の議長声明や、辞めた元従業員が述べた、クリスチャントゥデイに関する否定的な内容の根拠のような内容でした。この内容が事実無根の誹謗中傷であり、民法上の名誉権を毀損する違法行為であると判断したため、2020年、クリスチャントゥデイは裁判所にこのブログの発信者を開示させる命令をブログ運営会社であるニフティ株式会社に出させるよう請求するための裁判を起こしました。事実無根の誹謗中傷は非常に多く書かれていましたが、裁判の手続きを簡易に、迅速にするため、特に酷いもの5つを選び、争点として裁判所に検討してもらいました。結果、5つの争点すべてが違法であるため、発信者情報開示命令を出す判決が出ました。ニフティは裁判所の命令に従い、発信者の住所氏名をクリスチャントゥデイに開示しました。発信者は誹謗中傷の従業員声明を出して辞めた元従業員の一人でした。彼はニフティに対する情報開示請求裁判が始まってすぐに、ニフティから意見照会を受け取った時点ですぐにブログを削除していました。ブログの内容に正当性があれば、裁判で合法性を主張できたはずですが、削除したことで、自身の行為の不当性を示しています。その後、元従業員はブログ内容が虚偽に基づく誹謗中傷で違法行為であったことを認め、謝罪し、クリスチャントゥデイと法的に和解しました。元従業員は和解する際に、自身の行為は、差別扇動者から影響を受けてやったものだと述べる文書を提出しました。また、差別扇動者は該当のブログ記事が公開されるたびに、ほぼその日のうちに、その記事を、自身のキリスト教界における権威を上乗せして、あたかも確からしいもののように、自身のSNSで拡散し、自身に近い人物らに信じ込ませ、風評被害を拡大させました。

元従業員との法的和解が成立した直後の2021年、クリスチャントゥデイはようやく、差別扇動者を被告とする裁判を開始しました。これはすでに違法であることがニフティ相手の裁判で確定している5つの記事を、SNSで拡散した行為が、違法であるか、合法であるかを、裁判所に問い合わせする裁判です。過去の判例では、違法な記事を掲載することだけではなく、その違法な記事を拡散することも同様に違法であるとの判決が複数だされています。ですので、クリスチャントゥデイも差別扇動者による違法な記事の拡散が違法であると考えており、これを裁判所に確認し、判決という形で、法的な評価を得ようとしているところです。この裁判について、差別扇動者は、自身がキリスト教界における権威者であることを理由に、クリスチャントゥデイが差別扇動者に楯突くことは、キリスト教界全体を敵に回して挑戦していることであるとの構図を周囲の人に見せ、自身の正当性を主張しています。差別扇動者は自分は何も悪いことをしておらず、逆にクリスチャントゥデイが悪いことをしていると主張しています。違法判決が出れば、少なくとも日本の法律という観点から、差別扇動者が違法であることが示されます。この判決を通して、「クリスチャントゥデイを読むな。関わるな。取材を受けるな。広告を掲載するな。寄稿するな。なぜならクリスチャントゥデイは悪いからだ。悪い理由はこれこれだ」という言説が事実でなく、差別扇動者の言うとおりに関わらないくてもよい、差別扇動者の言う事を聞かずに、関わっても、関わった人には問題が起きないことが、理解できるようになればと思っております。そうすれば、安心してクリスチャントゥデイの記事を読み、取材を受け、寄稿し、広告を掲載できるはずです。

この問題は、キリスト教界全体でよく知られている問題ではありません。知らない人もいます。ですが、キリスト教界の一部では深刻で重大な問題であるとも捉えられています。この記事の趣旨は、まず、この問題をとりあえずは知っていただくこと。そして、知ることで、質問の生じた方がいらっしゃれば、当事者の編集長である僕に直接質問して、回答を得ることのできる場を用意することです。

実際はもっと複雑で、ここで述べられていない詳細は多々ありますが、できるだけ簡潔に概要を書くと、上記のようになります。

さて、差別扇動者の動機についてですが、「本人が自己申告する動機」と「僕の観察した結果予想した動機」は大きく違います。

まず本人が自己申告する本人の動機は、「世界のキリスト教界が、キリスト教を偽装した異端カルトに騙されて、侵食されて利用されようとしている。その世界的異端カルトの日本での出先機関が、クリスチャントゥデイである。世界のキリスト教はまんまと騙されてしまったが、日本では唯一自分だけが、その偽装を見破った。だから、自分はクリスチャントゥデイが偽物のキリスト教であり、本当は異端カルトであることを宣伝して、日本のキリスト教が騙されないように、クリスチャントゥデイと関係を持たないように警告を発している」というものです。実際は違うと僕は思います。事実、クリスチャントゥデイは単にキリスト教を信じてる人がやってる新聞社だからです。

では、差別扇動者の実際の動機が何なのか。心の中は人には見えませんから、正確には分かりません。しかし、少なくとも以下の背景事情を考慮することはできると思います。

キリスト教、特にプロテスタントの歴史として、単純化しますが、誕生の後しばらくたってから、進歩的な自由主義という主義が出てきました。そして、自由主義を採用した教派が主流派というものを構成しました。教会が複数集まったものを教団と呼びます。教団が複数加盟する組織を連絡組織と呼びます。主流派の教団が複数あつまって1948年「日本キリスト教協議会」という連絡組織を作りました。主流派のキリスト教の新聞として、日本には1946年「キリスト新聞」という新聞ができました。新聞を作ったのは主流派の有名人たちでした。だから、主流派の人たちは、誰がどうやって作ったのか良く知っていました。新聞社を創業するのは、事務所、印刷所、販売経路に莫大な投資が必要で、当時はとても大変なことでしたので、お金を集めるのも大変でした。

主流派の信条に同意できない人たちが、福音派という保守的なグループを形成しました。福音派の教団が複数集まって、1968年「日本福音同盟」という連絡組織を作りました。福音派のキリスト教の新聞として、1967年日本には「クリスチャン新聞」という新聞ができました。福音派の重要な人たちがお金をいっぱいかけて、作りました。福音派の人たちはみんな誰がどのように作ったのか、知っていました。そして、主流派のキリスト新聞とは、読者層も、論調も異なっており、重複せず、競合せず、きれいに棲み分けができていました。

クリスチャントゥデイは福音派の信条を掲げ、福音派の人たちを読者層に想定しながら、2002年に最初のウェブサイトが立ち上がりました。ウェブサイトを立ち上げた人は、高柳泉という人です。高柳さんは、日本バイブルバプテストフェローシップという保守的な教団の教会の教会員の夫婦の元に生まれ育ち、自身も福音派の信仰を持つようになったキリスト教徒の若者でした。彼はカリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学し、留学中にアメリカ西海岸でシリコンバレーを中心に、YahooやGoogleなど、学生がインターネットでウェブサイトを作って起業して大成功している現象が次々に起きているまさにその現場に居合わせました。また、高柳さんと一緒に聖書を学んでいた友人の福音派のキリスト教徒の学生たちが、クリスチャンポストという福音派のインターネットの英字新聞のウェブサイトを作ったことや、その集まりで聖書を教えていた韓国人宣教師の出身教団の若い信徒たちが、韓国で、クリスチャントゥデイという韓国語の福音派の新聞のウェブサイトを作ったことを知りました。

高柳氏は、最初は牧師として伝道活動をしようと思いますが、途中でやはり、自分もインターネットの新聞のウェブサイトを日本語で作ってみたいと思うようになり、知人たちの手を借りて、作りました。それが2002年、日本のクリスチャントゥデイのはじまりです。インターネットのウェブサイト、ホームページを一個作ることですので、紙を印刷することも、販売網を作り上げることも、全く必要ありません。知識とパソコンが最低1台があればできることです。昔の新聞社創業にかかったような大変さはまったくありません。お金も、有名人や有力者との人脈も、一切ない学生ですら、できてしまうことでした。なので、高柳氏は、事前に福音派の有力者に頼る必要も、報告する必要も、許可を得る必要も、感じませんでした。個人のウェブサイトを一つ作るのに、誰の許可を取る必要もなく、自由に誰でもできるように、手軽な感覚で、福音派のキリスト教のインターネット新聞、クリスチャントゥデイのウェブサイトを作ってしまったのでした。

ですが、ここに問題が起きます。すでに日本には福音派のキリスト教徒を対象読者とした「クリスチャン新聞」が存在していたのです。読者層、取材源候補、広告主候補が被ってしまいますが、被ることがまずいことなのか大丈夫なことなのか、高柳氏は考えてませんでした。学生あがりの世間知らずの青二才の、ビジネスの世界にも、福音派の暗黙のルールや権威構造にも歴史にも無知な高柳氏には、思いつきもしないことでした。このような大きなことを仕出かす前には、何も企画する前の段階で、日本福音同盟の偉い牧師先生全員と、特にすでにその領域で、新聞広告を売り、新聞の購読料を収入としている、クリスチャン新聞を運営しているいのちのことば社に、アイディアを伝える必要があったのです。そして、事業領域が被らず、相手の収益構造に害を与えず、日本の福音派の偉い人たちの顔とメンツを立てて、賛同者としてずらりと名前を連ねていただき、根回しに根回しを重ね、万全の準備をしてから、ようやくウェブサイトを一つ作ることが必要とされていたのでした。それは明文化され、文書として書かれたルールではありませんでした。暗黙のしきたりであり、空気のように察して誰に言われなくても自分から進んで当然守るべき掟でした。

高柳氏はその掟に無知でした。アメリカ留学から帰ったばかりのアメリカかぶれの日本文化もろくに尊重できない生意気な青年でした。何か事を起こす前に、事前に偉い人にお伺いを立てないことは生意気なことでした。少なくとも、ウェブサイトを「勝手に」「誰の許しも得ることなく」立ち上げ、そしてその2年後には、ウェブサイトに掲載された記事をなんと印刷してしまったのです。知り合いの若いクリスチャンから紹介してもらった、韓国の安い印刷業者に依頼して格安で印刷し、日本に紙媒体となったクリスチャントゥデイをとりよせ、日本全国の教会に何の前触れもなく、配るという暴挙に出てしまいました。高柳氏本人には、暴挙であるとの自覚は全くなく、単に脳天気な善意でやっただけでしたが、福音派の偉い人たちやいのちのことば社にとっては、「勝手に」誰かがやった暴挙に見えてもおかしくないことでした。しかも、これをやらかしたのがどこの誰だか分かりません。一応、日本バイブルバプテストフェローシップの教会員の信徒の子供らしいことは分かるのですが、それ以外が全く不明です。彼に福音派の有力者の人脈は一人としていません。いのちのことば社とももちろん繋がりがありません。

インターネットを使わない人は当時沢山いました。その人達が使う主な媒体は、紙媒体でした。クリスチャントゥデイはインターネットを使う非常に先進的なクリスチャンのごく少数の一部でのみ知られているウェブサイトの一つでしたが、紙媒体をいきなり、全国の教会に、無料で、勝手に、配って、メジャーデビューをしてしまいました。福音派の偉い人たち全員のメンツを潰していのちのことば社に喧嘩を売るという、大変なことをしでかしたのですが、高柳氏本人には大変なことという意識は全くありませんでした。呑気にお祝いをしていました。高柳氏は、事後、完全にもう意味がないのに、いのちのことば社を訪問し、クリスチャントゥデイをはじめました。よろしくお願いしますと、能天気に挨拶回りに行きました。完全に自分が喧嘩を売っていることに全く気づかず、単に善意で挨拶をしに行きました。当然、こっぴどく拒絶され、いのちのことば社を後にしましたが、高柳氏は、なぜあんなに冷たくあしらうのだろうかと、不思議に思ったようです。何も分かっていない若造でした。両者の認識には深い断絶があり、コミュニケーションの不在がありましたが、両者とも、それに気づいていませんでした。

僕はその当時、高柳氏がいた東京ソフィア教会で、聖書の学びをしていたノンクリスチャンの大学生でした。何か新聞のように見える紙を持って、教会の人たちが嬉しそうに、なにやら記念撮影をしていたのを見ていました。自分にも一つそれをくれたので、なんだろうと思って、特に関心も持たずに、大学の寮に持ち帰り、たいして読みもせずに寮の居間に放置してました。それが、クリスチャントゥデイの紙媒体1号でした。もったいないことに、寮の友人がしばらく後に捨ててしまったようです。

この暴挙は、福音派を含め、日本全国の教会である種の騒ぎになっていたようです。どの程度の騒ぎだったのかは当時から現在も人脈の殆どない僕には分かりません。今週にかけて、日本全国の教会にばらまかれたクリスチャントゥデイって誰がやってるの?どういう団体がバックにいるの?人々は互いに聞いてみますが、誰も知りません。高柳泉がやってるというのはわかりますが、彼は一信徒で、無名、無力、無人脈です。新聞を印刷媒体で作るというのは、高柳氏は周囲の協力を得てできたのですが、実際に高柳氏が費やしたコストと、人々が紙媒体の出来栄えを見て想定したコストの間に大きな隔たりがあり、人々は実際よりも多大な投資が必要であったと考えました。それは福音派において、作り出されたクリスチャン新聞の創刊における多大なコストの記憶がそうさせたのでしょう。バックに相当な資金力を持つ団体があるに違いないと、妄想をたくましくする人までいました。実際は前回の新聞設立から何十年も時間が経過しており、記事作成から印刷終了までパソコンを有効に活用して非常に低コストでできるほどに技術革新が進んでいたのです。しかし、技術革新の事情には特に疎い、高齢のクリスチャンが多数派を占めるキリスト教界には、そのような想定ができるはずもありません。

「こんなでかい事業を一青年信徒にできるはずがない。そんなのは偽装で、どうせでかい汚いカネでやったに違いない」と、下衆の勘繰りがはじまりました。実際は汚くもなんともない単なる青年がやらかしたこの現象に、汚いカネと事情を想定し、難癖をつけて否定するための調査を始めた人がいました。勝手な無料のクリスチャントゥデイの創業によって、読者シェアも、広告主も、購読収入も、いきなり脅かされることになった、クリスチャン新聞の当時編集長だった某氏です。日本にはクリスチャントゥデイに関する情報が全く無いので、おそらく韓国人の知り合いに聞いたのでしょう。韓国にも同じ名前のインターネットの福音派のキリスト教新聞がありました。韓国クリスチャントゥデイでした。そして、韓国クリスチャントゥデイが創業したのと同じ時期に、進歩的な論調のキリスト教を取り扱うNews N Joyという名前のウェブサイトができていました。News N Joyによると、韓国クリスチャントゥデイの創業者は昔統一協会に関わったことがあり、現在はキリスト教の牧師をしている人物であるということが分かりました。また、全く無知な高柳氏が借りていた日本のクリスチャントゥデイの事務所の住所は、渋谷区神泉町の松濤ビルという名前の建物でした。近くの渋谷区松濤という地区は、知る人ぞ知る統一協会の日本の本部事務所がありました。「松濤」というキーワードを使って、何者かが、クリスチャントゥデイの事務所は統一協会の事務所と住所が同じであるとのデマをばらまきました。統一協会の事務所の場所など全く知らなかった高柳氏はこれはまずいと思いましたが、どうしようもありません。

もちろん、住所が一致しないことはちゃんと見たら誰でも分かるのですが、下衆の勘繰りに基づいた風評はすでに回覧されはじめてしまいました。次々に新しい風評が開発され、回覧されました。例えばクリスチャントゥデイの創業資金は統一協会から出たものであるとのデマなどです。差別扇動者の一人は統一協会の被害者が統一協会から霊感商法で奪われた金銭を賠償請求して取り戻す裁判にも詳しい人物でした。そこで、決定的な事件が起きました。日本福音同盟に加盟している全ての教団に、以下の内容のFAXが届いたのです。

日本福音同盟 Japan Evangelical Association

101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-1 OCCビル内

TEL 03-3295-1765 FAX 03-3295-1933 E-mail office@jeanet.org

2004年6月17日

JEA加盟団体各位

JEA協力団体各位

主の御名を賛美いたします。

最近、いち報道機関として活動を始めた『クリスチャントゥデイ』に関して、さまざまな問い合わせが皆さまからございました。数ヶ月間、調査結果を待っておりましたが、一昨日、韓国の新聞社「韓国基督公報」を通じて次の内容の事が明らかになりました。

韓国クリスチャントゥデイ新聞の常任理事、張在炯牧師は、統一協会の核心メンバーであることが判明。このことについての記事が韓国のオンライン新聞であるNews N Joyに出ている。基督公報の取材によれば、海外ネットワークとして日本と中国に力を入れているらしい。張在炯牧師は現在合同福音教団の総会長ですが、韓国基督教総連合会から異端として調査中である。(クリスチャン新聞提供)

上記の調査報告を深刻に受けとめ、JEAは今後、『クリスチャントゥデイ』の取材を一切受けないことといたしました。その事を関係者の皆様にご報告いたします。

主にありて

理事長 小川国光

総主事 具志堅聖

張在亨牧師は統一協会に関わったことはありましたが、入信すらしていない人で、元々キリスト教徒の家庭で生まれ育ち、キリスト教の神学校を卒業し、牧師になった人物で、統一協会と関わったのも、統一協会の人たちにキリスト教の教理を伝えていただけでしたが、差別扇動者の一人は、2004年の時点で、彼が統一協会の幹部であると断定する書き方の情報を、日本福音同盟に伝えていたのでした。それを事実検証せず、鵜呑みにして、誤解してしまった日本福音同盟は、大騒ぎして、上記のFAXを日本全国にばらまいてしまったのでした。統一協会はキリスト教ではない異端であると考えられていますので、異端が作った新聞が、キリスト教を名乗って、日本全国の教会にばらまかれたのだから、きっと悪い意図があるに違いないと思う人もいたはずです。この事実でない情報は、差別扇動者の思い込みによるミスによるものか、意図的なものかは、定かではありませんが、結果的にクリスチャントゥデイに大きな風評被害をもたらしました。

その後、どうもクリスチャントゥデイと統一協会は関係ないという事実が明らかになってきました。しかし、そのままクリスチャントゥデイには落ち度がないことになってしまうと、統一協会という冤罪を被せた責任が生じてしまいます。新しい風評が開発されました。それは、確かにクリスチャントゥデイは統一協会ではないが、韓国クリスチャントゥデイを創業した張在亨という牧師を、統一協会の教祖みたいに崇拝する異端教理を信じている人間が運営している新聞だという珍説でした。しかし、その珍説にでもすがらないと冤罪を被せた責任が待っています。背に腹は代えられません。「とにかく、異端なのだから、偽物のキリスト教なのだから、キリスト教じゃないのだから、クリスチャントゥデイを読むな、取材を受けるな、記事を寄稿するな、広告を掲載するな、創刊祝賀挨拶を取り下げろ、すでに書いた記事を取り下げろ」と、営業妨害のオンパレードでした。現在もそれは続いています。

ただ、そのような事実無根の誹謗中傷は、プロテスタントのごく一部の偉い人たちを中心にして知られているにすぎず、大部分の信徒や教会では、知られていないものでした。なので、読者の中には、そんな風評を一回も耳にすることなく、創業から現在まで、クリスチャントゥデイを愛読されている方々も多くいらっしゃいます。ただ、偉い人たちが騒ぐので、みんな風評を真に受けてしまったんだと、クリスチャントゥデイの人たちも、風評被害を過大評価してしまった面はあります。しかし、過小評価もできません。ニュース価値のある記事は、だいたい大きな団体に取材することで書くことができるからです。しかし、大きな団体の意思決定者の偉い人たちは、差別扇動者の風評回覧によって、関係謝絶状態になってしまいました。ニュース価値のある出来事を取材しにくくなったクリスチャントゥデイは、それまでも報道していた海外のキリスト教の報道に力を入れることになり、その面で注目されていきました。また、差別扇動者の影響が及ぶのは、実は東京を中心とした関東圏であることも分かってきました。関西や沖縄などでは、風評に惑わされず、クリスチャントゥデイをキリスト教の新聞社として扱い、読者として読み、取材も問題なく受け、広告も出向する人々がいました。そのような地方のキリスト教にも、クリスチャントゥデイは支えられています。

2022年6月13日月曜日

エフライム・テンデロ監督がWEA新事務所を表敬訪問

元フィリピン福音同盟(PCEC)総主事、元世界福音同盟(WEA)総主事のエフライム・テンデロ監督がWEAが米ニューヨーク州北部ドーバに開設した新事務所「フィラデルフィア・ハウス」を表敬訪問したことが、韓国クリスチャントゥデイで報道されていましたので、翻訳して紹介いたします。原文は「세계복음연맹 텐데로 전 사무총장, 도버 에반젤리컬센터 예방」です。

2022年6月6日月曜日

韓国のキリスト教界と韓国クリスチャントゥデイとの関係

韓国のキリスト教の連合組織は現在3つあります。


1.韓国基督教総連合会(CCK) http://www.cck.or.kr/

2.韓国教会連合(CCIK)  https://ccik.kr/

3.韓国教会総連合会(UCCK) https://www.ucck.org/


1.韓国基督教総連合会(CCK)

韓国の保守的なキリスト教の連合組織としては、CCKが最初にできました。CCK、崔三卿、張在亨に関して、何が起きたのか、CCKの代表会長を務めた大韓イエス教長老会合同教団のホン・ジェチョル牧師本人が、渡米した際に在米韓国系教会向けに概要説明した際の記事が最も客観的でまとまっていますので、参照してください。簡単に言うと、崔三卿牧師が張在亨牧師に因縁をつけて異端に仕立て上げようとして、CCKの異端対策委員会を不正に濫用したが、失敗し、かえって自分が異端だと規定されたという話です。

(日本語訳) https://nehemiaharchives.blogspot.com/2012/07/blog-post_12.html

(韓国語原文) https://kr.christianitydaily.com/articles/64569/20120712/%ED%99%8D%EC%9E%AC%EC%B2%A0-%EB%8C%80%ED%91%9C%ED%9A%8C%EC%9E%A5%EC%9D%B4-%EB%A7%90%ED%95%98%EB%8A%94-%ED%95%9C%EA%B8%B0%EC%B4%9D-%EC%82%AC%ED%83%9C%EC%9D%98-%EC%A0%84%EB%A7%90.htm


2.韓国教会連合(CCIK)

その後、CCK内で内紛があり、いくつかの教団が脱退して、CCIKを作りました。

ただ、CCIK成立の理由と背景について、差別扇動者らは事実とは異なった説明をしています。

実際は、CCK内のWCC問題と金権選挙問題が争点となりました。差別扇動者らはCCK内で張在亨牧師が正統認定されたことに反発した教団が離脱したからだと主張しています。この認識の相違について、客観的に分かる報道が、韓国の日経のような世俗の新聞である「毎日経済」の以下の記事です。この記事ではWCC問題と金権選挙問題を理由に上げています。

(日本語訳) http://web.archive.org/web/20200127144350/https://cultwatch.jp/cck-ccik-wcc-election-2012/

(韓国語原文) https://www.mk.co.kr/news/culture/view/2012/09/607724/


差別扇動者らは「CCIKにおいて、韓国のクリスチャントゥデイが異端とされた」かのような説を流布していますが、これも事実とは違います。差別扇動者らはCCIK全体の意思をもって何かが決定されたかのような言い方をしましたが、実際は、CCIKの正しい信仰守護委員会に崔三卿牧師に近い人物がいて、その人が単独で研究調査をしたにすぎません。このことを、韓国クリスチャントゥデイはCCIKに事実確認要請書を送って問い合わせ、2019年6月10日、CCIKは公文書により以下の回答をしました。

「2012年正しい信仰守護委員会で研究したことはありますが、異端に規定するために総会で決議したことはありません」「本会は異端似而非性を正しい信仰守護委員で研究調査し、会員教団に通知して参考にする役割をしますが、異端および似而非性を規定したり解除したりすることはしません」

公文書そのものとその日本語訳はこちらから確認できます。

http://web.archive.org/web/20200127144623/https://cultwatch.jp/ccik-david-jang-2019/


2019年には、CCIKの崔グィス事務総長は韓国長老会総連合会のソン・テソプ代表と共に8月末に訪米した際には、合同福音教団の張シファン総会長とソ・イルグォン事務総長の斡旋で張在亨牧師が奉職するワールドオリベットアッセンブリー(WOA)本部を訪れ、張牧師と歓談しています。

(日本語訳) https://nehemiaharchives.blogspot.com/2019/09/christiantoday.html

(韓国語原文) https://www.christiantoday.co.kr/news/325273


2020年7月8日にはCCIKに加盟する複数の主要な教団の代表者から、韓国クリスチャントゥデイ創立20周年を祝う祝賀のメッセージが寄せられました。以下祝辞を送った人の一覧:キム・ミョンヒョク牧師(韓国クリスチャントゥデイ編集顧問、韓国福音主義協議会前会長)、キム・ヨンハン博士(韓国クリスチャントゥデイ編集顧問、キリスト教学術院院長)、キム・ジノン牧師(トゥレ修道院院長)、クォン・テジン牧師(韓国教会連合代表会長)、キム・スウプ牧師(韓国長老教総連合会代表会長)、キム・ジョンジュン牧師(大韓イエス教長老会合同総会長)、シン・スイン牧師(大韓イエス教長老会高神総会長)、イ・ヨンフン牧師(韓国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団代表総会長)、ハン・キジェ牧師(キリスト教聖潔教会総会長)、ソ・ガンソク牧師(大韓イエス教長老会合同副総会長)

日本語字幕付き祝辞動画:https://www.youtube.com/watch?v=yp1TOKIM5fE 


3.韓国教会総連合会(UCCK)

また、CCIKでも問題が起きてUCCKが設立されましたが、張在亨牧師にも韓国クリスチャントゥデイも全くその原因とはなっていません。また、UCCKでは韓国クリスチャントゥデイに関しても、張在亨牧師についても、全く触れられていません。

韓国クリスチャントゥデイでは、UCCKに関する記事は非常に多く掲載されていますし、その記事の中にはUCCKのイベントに記者として参加し、取材しなければ書けない記事や、取材しなければ撮影できない写真が多数掲載されています。これは、UCCKが韓国クリスチャントゥデイをキリスト教メディアとして自由に取材させている事実を示しています。

以下は韓国クリスチャントゥデイが報じたUCCKに関する記事の一覧です。

https://www.christiantoday.co.kr/_search/?where=all&q=%ED%95%9C%EA%B5%90%EC%B4%9D


また、UCCKの元代表会長であり、現在UCCKの法人理事の1人である大韓イエス教長老会合同教団のソ・ガンソク牧師は2018年4月から韓国クリスチャントゥデイにコラムを掲載しています。最新のコラムは2022年6月5日付のものです。


ソ・ガンソク牧師コラム一覧 https://www.christiantoday.co.kr/sections/oc_P_Column/

2022年6月5日のソ・ガンソク牧師のコラム記事 https://www.christiantoday.co.kr/news/347989

2022年5月26日木曜日

信条ではなく出自による教派差別

 私はクリスチャントゥデイ編集長の井手と申します。自己紹介として、証しを書きましたので、よろしかったらご一読ください:https://blog.christiantoday.co.jp/2019/12/hokuto-ide-testimony.html

クリスチャントゥデイを通して私が何をしようとしているのか、クリスチャントゥデイの目的は何か、キリスト教メディアとして、どのような方針で報道活動をしようとしているのか、お知りになりたい方は、編集長就任の挨拶にそのことを書きましたので、こちらからご覧になれます:https://www.christiantoday.co.jp/articles/27531/20191225/greeting-from-hokuto-ide-new-editor-in-chief.htm

編集長に就任してからもう1年半ほど経過しますが、その間、報道の指揮を取り、記事の編集をする以外に、自分でもいくつか記事を書きました。記事の対象の選び方、報じ方、論説の内容などに、私の信仰内容が反映されるような記事を書こうと意識したつもりです。クリスチャントゥデイという「木」を判断する際の「実り」の一つとして、判断材料の一つとしていただければと思います。こちらが私の書いた記事の一覧です:https://www.christiantoday.co.jp/reporter/ide-hokuto/

私のした仕事の中で特に私の信仰をより強く反映するものとして紹介したいのですが、日本宣教の推進に寄与するために私は「教会と駅」という宣教地図のプロジェクトを始めました。

https://www.christiantoday.co.jp/articles/29508/20210521/church-station.htm(記事)

https://blog.christiantoday.co.jp/2021/05/church-station.html (制作の経緯)

このプロジェクトは海外の福音派でも話題になり、Global Community of Mission Information Workersから機関誌への寄稿を依頼されたり:

https://www.globalcmiw.org/sites/default/files/2021-10/2021_v11n4_CMIW-Bulletin_UN%20v7.pdf

オックスフォード宣教研究所から講演を依頼されたりしました。

https://www.youtube.com/watch?v=f_dwuQcWBdE (講演動画)

https://www.slideshare.net/HokutoIde1/missioinformatics-how-information-technology-contribute-to-mission-study (講演スライド)


仕事内容には、私の信仰が間接的に反映されてはいますが、より直接的に反映するものもあります。日々の生活を通して、信仰的なことを考えたことを私はnoteに書いてきました。個人的な信仰的思索の記録をこちらに残してありますので、また別の判断材料として、検証していただければと思います:https://note.com/hokuto_ide

上記に上げたように公開した記事や信仰的な表明などを皆さんが精査した結果、確かな論拠をもって、私個人や、私が編集長を務めるクリスチャントゥデイは異端である、カルトであるとの確固たる判断をくだされるのであれば、反論はしますが、そのご意見は尊重します。ただ、これらをの実りを見て、異端でもカルトでもないと判断されるのでしたら、これを「キリスト教に偽装した嘘」などとは思わず、額面通り受け取っていただければ幸いです。こういう言い方をしないといけないくらい、十数年にも渡って、クリスチャントゥデイにかかわる人たちは、イエス・キリストを信じるという信仰告白を嘘呼ばわりされて来たのです。変な言い方かもしれませんが、ご了承下さい。


クリスチャントゥデイについて主張されていることを簡単にまとめると、「本当は異端カルトなのに、異端カルトじゃないふりをして正体を隠して、外見上、表面上は、一般のキリスト教の教会を装っている、裏では秘密教理として異端教理を口伝で、印刷しないで、証拠を残さないように教えている。我々はそれを知っているが、お前らは知らない。お前らは騙されてるだけだ。あいつらは嘘つきなのだ。我々だけがその嘘を見抜いた」そういう主張ですよ。

クリスチャントゥデイのスタッフや、あいのひかり教団の人たちを含め、当事者はみんな違うと言う。当事者はみな「自分たちはイエス・キリストを信じる」と信仰告白している。しかし、「いや、お前らは嘘をついている。お前らはイエス・キリストを信じていないのだ」と言う。それだけにとどまらず、「あそこの教会のふりをした奴らは、イエス・キリストを信じると口では言うが、本当は心では信じてない異端だから、キリスト教ではないので、交流するな。徹底的に仲間はずれにせよ。俺のこの主張に反対や疑念を持つやつは皆クリスチャントゥデイに騙されているのだ」と、言う。

そうやって、クリスチャントゥデイに関わる人達や、あいのひかり教団の人たちが、いくら「イエス・キリストを信じる」と信仰告白をしても、「クリスチャンではない。キリスト教徒ではない。キリスト教徒のふりをして、正体を隠した異端だ」と呼び、村八分にする。それ以外の教派や教団との関係を持てないようにする。キリスト教の団体に加盟できないようにし、キリスト教の行事に参加できないようにし、キリスト教の出版社で本を出せないようにし、共に礼拝に参加できないようにし、友人関係を作れないようにし、結婚できないようにする。会うことも、話すことも、単に知ることすら、忌避させるように仕向ける。

何かと似ていませんか?汚い出自という言われない理不尽な物語により、交友、婚姻、仕事においいて差別する。そうです。部落差別です。信条によらない出自に基づいた新しい教派差別制度をキリスト教の中でせっせと作って既成事実化しようとしてるんです。クリスチャントゥデイはそういうのを約20年間、福音派村という村でやられ続けてきました。福音派の偉い人たちは誰も差別扇動者を止めようとしませんでした。

もちろん信仰告白を額面通りに受け取ってくださった方々もいらっしゃいました。峯野先生は、クリスチャントゥデイの会長になってくださいました。堀内先生もクリスチャントゥデイに積極的に協力されました。宮村先生は編集長になってくださいました。福音派で有名な先生方です。しかし、そうやってクリスチャントゥデイに関与することで、少なからず攻撃されてました。ただ、差別扇動者を直接的に止めるっていうのは、誰もできなかったことです。逆に、差別扇動者に同調し、村八分の呼びかけを広める人たちは多くいました。

そうこうしてるうちに、福音派の外から、2018年あたりに差別扇動者に明確に反することを言う人たちが出てきました。溝田さんとか臼田先生とかです。彼らは福音派ではありません。主流派です。最初は僕もなんでだろうと不思議に思ってました。今では神様が呼んでくださったと思ってます。「福音派の中で自浄できないから、外から人を起こしてでも福音派に喝を入れてるのかな」と。僕は自分のことを福音派と思っています。一番距離的に近い身内のはずの福音派から、最も差別され攻撃されていますが、彼らはやはりいちばん近い身内だと思っています。なので、非常に情けない話です。

僕の証しに出てくるN先生に会いに行った時、クリスチャントゥデイと福音派のことをひとしきり話したら、自分の話をしてしてくれました。当時N先生をリンチをしたのはT大学の神学生ですし、それをもみ消してなかったことにしたのはT大学の教授会です。福音派の大スキャンダルです。そして、福音派の教会全部にこれから卒業するN先生を決して牧師として雇うなという手紙を送ったのも、T大学です。

クリスチャントゥデイに対して現在起きている福音派の差別と同様の差別を何十年も前に、N先生は経験していました。なぜか、そのN先生の教え子が僕だったわけです。神学校を卒業しても絶対牧師になれない未来を奪われたN先生に留学を勧めたのが宮村先生です。そして、アメリカの神学校の図書室で、偶然N先生は、古屋安雄牧師と出会います。N先生の事情を聞いた古屋先生が、某大学の教会の副牧師として、N先生を呼ぶことにしました。

日本で決して牧師になれないはずだったN先生が牧師になったのはそういう奇跡的なことがあったからです。古屋先生の本を見ると分かると思いますが、古屋先生自身は、福音派ではありません。主流派の方です。しかし、主流派の中では、福音派に最も理解を示してくださる方の1人だったと思います。そのような古屋先生をN先生に出会わせてくださったのも、神様であると僕は信じます。N先生は、二度と福音派はこりごりだと言ってました。僕はT大学はN先生に謝罪すべきだと思います。N先生と話したときも、これは公にすべきですと、強く話したのですが、N先生はもういいから自分は関わらないと言ってました。本当は誰かが記事に書いて報道すべきだとも思いましたが、まだその時は僕は編集長でもなかったですし。1人の大学院生として、学部時代の恩師に会った時の話なのでこれくらいに留めましょう。

何が言いたいかというと、福音派の村八分は、クリスチャントゥデイにはじまったことじゃなくて、前から似たようなことをしていたということです。しかも、その被害者が某キリスト教系の大学の教授兼牧師だったN先生と、その教え子である僕だった。しかも、N先生は宮村先生の教え子です。宮村先生はクリスチャントゥデイの編集長になった後、一部の福音派の人々から攻撃されるようになり、著作集も途中からあまり売れなくなりました。人脈を切るようなまねもされ、自分の教え子たちからも罵られ散々な目にあいました。

なんか、3代にわたってこういうことが起きてるんです。宮村、N先生、井手。こういう系譜の末席になぜか自分がいるわけで、その意味を考えるに、「細縄の鞭になれ」ということかなと、勝手に自己理解をしてます。N先生は福音派から「去る」という選択をしましたが、僕は去ろうとは思いません。どう考えても僕は福音派だし、それ以外の自分のアイデンティティーがないので。なので、福音派全部を敵にまわしても、自分は福音派だと主張し続けると思います。これは、「人間のグループとしての福音派」と、「信条としての福音派」の違いです。信条として、僕は福音派なんです。


早い話、これです:https://www.christiantoday.co.jp/statement.htm(クリスチャントゥデイの信仰告白)


信仰告白

1. 私たちは、新旧約聖書が66巻から成り、霊感された神の言葉であり、原典において何ら誤りがなく、信仰と生活の唯一の規範であり、正典であることを信じる。

2. 私たちは、神が唯一全能であり、父と子と聖霊の三位格をもつ三位一体であり、永遠に存在される方であることを信じる。

3. 私たちは、アダムが神のかたちに創造され、サタンの誘惑により罪の中に堕落し、その罪により全人類に罪が入ったことを信じる。

4. 私たちは、主イエス・キリストが真の神にして聖霊によって処女マリヤからお生まれになった真の人であること、罪のないこと、奇跡の御業を行われたこと、私たちの罪のために身代わりとなって十字架上で死なれ、肉体をもって復活されたこと、天にのぼり大祭司として御父の右に座しておられること、彼ご自身が栄光のうちに再び来られることを信じる。

5. 私たちは、救いとは、罪の許し、キリストの義の転嫁、行為によらずただ信仰により得られる永遠のいのちであることを信じる。

6. 私たちは、信じた者と信じなかった者が復活し、信じた者は永遠のいのちと喜びに至り、信じなかった者は永遠の刑罰に至ることを信じる。

7. 私たちは、教会すなわちキリストの体が、救われて生まれ変わった者、聖霊によって新生した者によって構成され、これらの人々のためにイエス・キリストが天において私たちをとりなし、再び地上に来られることを信じる。

8. 私たちは、イエス・キリストの再臨は切迫したものであり、イエス・キリストご自身が目に見えるかたちで来られることを信じる。

9. 私たちは、罪の中に堕落した人間が聖霊による新生を通してのみ救われることを信じる。

10. 私たちは、イエス・キリストが全世界に出て行って全ての国民に福音を宣べ伝え、信じた者たちにバプテスマを施すように教会にお命じになったことを信じる。


「人間のグループとしての福音派」もこれと基本的には同じ信仰告白を持ってるわけですが、クリスチャントゥデイが同じ信仰告白をすると、認めたくない。仲間じゃなくて、ヨソモノだと規定したい。けど、信条が同じだから、ヨソモノだと呼びにくい。そういえば彼らは、海外に関係している。アメリカだったり、韓国だったり。出自です。信条は同じだけど出自がダメだと言えば良い。汚い出自という物語を作って差別を正当化すればよいじゃないかと。


大韓イエス教長老会合同福音教団は韓国の福音派の教団です。韓国の福音派の教団である合同福音が宣教師を日本に派遣しました。韓国から日本に宣教師が派遣される方式でよくあるのが、日本にすでにある教会に混ざってその教会の働きを手伝って協力する形で、派遣するやり方です。また、新規に教会開拓をするにしても、教派的に近い日本の教会や教団と連絡を取り合って協力しながらやる方式が多いと思います。

合同福音の人は日本の教会に知り合いがいませんでした。知り合いの知り合いくらいはいたでしょうが、そういうつてをたどることをしないで、日本にただ宣教師を送り、信徒ゼロの状態から、路傍伝道をしてノンクリスチャンの人に福音を宣べ伝え、新規教会開拓をしました。それで教会に来た人たちは全員ノンクリスチャンです。

ノンクリスチャンの人たちが日本の教会のことを全く知らない韓国人宣教師から、聖書のこと、キリスト教のことを学び、クリスチャンになりました。例外的にクリスチャンホームで育った人も3人くらいいますが、それ以外は全員ノンクリスチャンの家庭を背景に持つ人達でした。僕もその1人です。なので、信条的には、福音派ではあるのですが、人脈的には全く断絶された陸の孤島的な教会でした。それが東京ソフィア教会などの、合同福音系の開拓教会です。

なので、日本の福音派の人たちが、東京ソフィア教会のような教会を見ると、たしかに信条的には同じなのですが、違う点が多いことがありました。今では日本の他の教会のことを学び、用語も日本のものに改定し、あいのひかり教団の教会は以前と比べるとずいぶん日本の教会らしくなったと僕は感じています。

日本の教会は、戦後直後に大量に信徒になった人が1世の世代を構成し、その後ノンクリスチャンを路傍伝道、友人伝道、家族伝道して、クリスチャンになるように教会に導く動きが激減し、現在の世代はほとんど皆2世、3世のクリスチャンホーム育ちで、日本的キリスト教文化を常識として育っています。合同福音系は、ほぼ100%ノンクリスチャン家庭育ちの1世で、韓国的なキリスト教文化しか知らないで育っています。

なので、例えば教会用語にしても、合同福音の開拓教会では、当時用語が韓国の教会用語を日本語に直訳したものが多く用いられており、日本の教会用語とは異なる言い回しや異なる用語を使っていた場合もありました。宣教師も日本人信徒も、日本の教会文化を知る人は誰も居ないので、それで誰も不思議に思わずに、そのままになっていました。


合同福音の宣教師が初めて来日したのが1997年です。その後教会開拓をほそぼそとやってました。合同福音はアメリカにも宣教師を派遣して、教会開拓をしていました。学生伝道もしていて、大学の近くで路傍伝道して、興味関心のある学生と共に聖書研究をする宣教師もいました。高柳泉さんは、日本バイブルバプテストフェローシップの教会員の家庭で育ったクリスチャンでしたが、米国カリフォルニア大学に留学していた時、近くで路傍伝道していた合同福音の宣教師に出会い、聖書を学びたいので、聖書研究に参加していました。場所が重要なのですが、そこはシリコンバレーです。

当時のシリコンバレーは今もですが、学生が在学中に立ち上げたウェブサイトが元となってYahooやGoogleをはじめとするインターネット系のベンチャー企業、(今風に言うとスタートアップ企業)が雨後の筍のように大量にできていました。なにせ会社をつくるのに事務所も資本金も何もいらないわけですから、アイディアとパソコンの技術さえあればいくらでも新規性の高い事業を始めることのできる情報産業の革命が起きていた震源地だったわけです。

高柳さんのいたカリフォルニア大学でも同じでした。高柳さんと一緒に聖書研究をしていた学生たちも何かネット起業してみようという流れになりました。合同福音の宣教師たちは、韓国では張在亨牧師をはじめとして、合同福音の信徒たちが韓国クリスチャントゥデイをネット起業したことを知っていますから、キリスト教のインターネット新聞について彼らにも話したことがあったと思います。それじゃあ、自分たちもアメリカで英語のキリスト教のインターネット新聞を作ってやってみようじゃないかと。学生起業をしてできたのが、米クリスチャンポストです。

ウェブサイト一つ作るのはそんなに大変なことじゃないですからね。知識さえあれば学生にも充分できることです。そのようにしてクリスチャンポストができる様子を高柳さんは隣で一緒に見て体験したわけです。自然に日本のキリスト教界にも、同じようなインターネットで読めるキリスト教の新聞があれば良いだろうなと思ったそうです。それで、留学が終わり、日本に帰ってきてクリスチャントゥデイのウェブサイトを作って、創業したというわけです。

合同福音の開拓教会は、1997年から2002年まで日本の他の教会とは特に交流もなく、ほそぼぞと宣教師が路傍伝道してるだけの教会だったわけですから、合同福音の存在が日本の福音派に知られていないのは当然だったわけです。日々の生活と路傍伝道と日本語の勉強などに集中するのに精一杯で、他の教会と交わりを持つ時間や余裕がなかったというのもあるかもれません。合同福音の存在は全く福音派には知られていなかった。クリスチャントゥデイのウェブサイトを作る計画を高柳さんは特に別の教会の人に相談したり、支援してもらおうともしてなかった。自分たちでできることの範囲内だと思っていたのでしょう。

韓国クリスチャントゥデイのウェブサイトを立ち上げたインターネットに詳しい合同福音の信徒たちがある程度最初の作業を助けてくれたら、あとは自分でなんとかできる。そういう始まりの仕方だったわけです。合同福音が日本で行ってきた宣教、教会開拓の働き、高柳さんがクリスチャントゥデイを日本で始めるに至った経緯。こういうのを全く知らない状態で、日本の福音派の教会はクリスチャントゥデイのウェブサイトが「突然」できたことを知ります。

「突然」というのは、根回しがないという意味でもありますし、超教派の設立準備委員会が存在しないという意味でもありますし、日本福音同盟やいのちのことば社の許可がないという意味でもあります。

「クリスチャントゥデイというウェブサイトができたが、誰に聞いてもそのことを知る人がいない」そういう状況が生じたわけです。日本のキリスト教界は狭いですから、人脈づたいに知ろうとすれば基本的に何でも知ることができます。にも関わらず、誰に聞いても誰もしらない。これはおかしい。そうなるのは理解できます。

しかし、考えてみるとおかしいですよね。ウェブサイト一つ作るのに誰かの許可を得る必要なんてないわけでしょう。高柳さんがいのちのことば社の指揮命令系統に属しているわけでもないわけで。

つまり、福音派は俺たちの縄張りだから、勝手なことは許さんという不文律があったということじゃないでしょうか。


しかし、そんな律法は聖書にはないですよね。


仮にも聖書のことばを信仰と生活の唯一の規範とする福音派なわけですから、「福音派は俺たちの縄張りだから、勝手なことは許さん」とは口が裂けても言えない。だから、統一協会系だの、異端教理を秘密口伝で信じてるだの、カルトだの、クリスチャントゥデイが存在してはいけない「正当な理由」を組み立てるしかなかったのではないでしょうか?