2023年11月15日水曜日

断罪の剣、誰が、なぜ振るうのか?

大韓イエス教長老会統合教団ファルホ教会元老のイ・ジョンファン牧師による2023年11月15日付のゴスペルトゥデイ(韓国語)の記事を紹介します。原文は"[외부 기고] 정죄의 칼, 누가, 왜 휘두르나?"です。

断罪の剣、誰が、なぜ振るうのか?


何事にも手続きが必要だ




















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イエス様が安息日に会堂に入って病気になった人を癒やしたが、その光景を目撃したパリサイ人たちがイエス様に向かって律法を破って安息日に働き「安息日に病気を癒やした」と非難した。 するとイエス様は「安息日は人のためにあるものであり、安息日のために人がいるのではない。 そして安息日であっても、すべきことをしなければならない。 私は自分の仕事をしているのだ。 あなたたちがこのような良い行いに対して私を非難するのが当然なのか?」と間接的な叱責と共に、本質的なことが何なのか知らずに律法だけを前面に出すパリサイ人たちを叱った。


「総会(教団)が異端擁護言論から解除したことがないのに総会長がどうやって異端擁護言論とインタビューができるのか?」として非難する記事が報道された。このような非難の先頭に立った人々が大部分が大韓イエス教長老会統合総会異端対策委員長を歴任した人々だ。 この報道を見ながらイエス様に安息日を犯したと非難したまさにそのパリサイ人たちが思い出した。 本質的な問題については口を閉じたり、自分たちの過ちと責任を回避しながら総会長を非難するその人々は、果たしてキリストの精神が少しでもあるのか本当に気になる。


手続きはすべてのことにおいて非常に重要である。 法と規則で決まっていないとしても、倫理的・道徳的な面で守るべき規範は守らなければならない。 したがって、総会で行われるすべての問題も、手続きと規定に従って行われなければならない。 手続きを無視することで、むしろ本質が損なわれることがどれほど多いのか。 だから手続きを重要に考えるのであり、筆者も総会や老会(日本では中会、教区に相当)で奉仕しながら手続きについての重要性を強調したのも事実だ。


ところが、総会がこのような手続きに違反し、不法に他人に肉体的、精神的、物的被害を与え、長い歳月を苦痛の中で生きるようにしたとすれば、このような総会が果たして公義と真理と愛を語る資格があると同意する人がどれほどいるだろうか。 まさにそのようなことに明け暮れた人々が、総会長に向かって手続きを違反したと非難しているとは、実にあきれたことだ。 「くそまみれの犬がぬかまみれの犬を汚いととがめる」ということわざ(韓国の諺、「五十歩百歩」に相当)は、これを指すようだ。 どれほどの無謀さで、何のためにこんなことを敢行するのだろうか。


この問題の内容をこれから陳述しようと思うが、読者たちは筆者の文を読んで、誰が果たして非難を受けなければならない対象なのか自ら判断してほしい。


異端擁護メディア指定、総会決議なし


第94回大韓イエス教長老会統合教団の教団総会では「異端を支持賛同する5つのキリスト教メディアに関する研究」案を異端対策委員会に送るよう決議し、異端対策委員会はいわゆる異端専門家を自称する牧師と教授などにこの件を研究するよう任せた。 翌年の第95回総会を控えて総会に報告するための同大委実行委員会が集まって異端擁護言論研究を引き受けた専門委員から「異端擁護言論」に指定する対象としてキリスト教メディア7つについて報告を受けた。


ところが報告書には総会が決議して移送した5つのメディアと共に、総会決議や研究依頼がなかった「教会連合新聞」と「クリスチャントゥデイ」の2つのメディアが追加されていた。 そして第95回総会で7つのメディアが異端擁護言論として報告され決議された。 もちろんこの対策委員会の運営内規には「この対策委員会の実行委員会の決議で疑わしい団体や個人を研究調査することができる」と明示されている。 しかし、この件は、同委員会の実行委員会で決議された案件でもなかった。


すると、異端擁護言論として追加された教会連合新聞が研究対象でもないにもかかわらず、自社メディアを追加して報告し、決議した総会決議に手続き上の誤りがあると総会決議を批判した。 筆者はこのような批判が起きるようになった事情を調べた結果、教会連合新聞の主張が間違っていないことを確認し、総会役員会に異端対策委員会に対する特別監査を要請し、役員会の許諾を得て監査委員会の異端対策委員会特別監査が行われた。 監査結果は衝撃的で、総会決議がなされるまで、すべての手続きが不法になされたことが明らかになった。


特別監査報告内容は「1.教会連合新聞とクリスチャントゥデイは最初から研究対象ではない。 2.総会に報告された異端擁護言論報告書の採択が異端対策委員会の議事定足数と議決定足数に違反し、何人かの主導の下で行われた」ということだった。 しかし、同委員会は「最後まで適法に行われた」と偽りの主張を繰り返した。 総会特別監査の公式的な監査報告まで否定した。 良心もないことだ。


ところが問題は、第95回期総会から106回期総会に至るまで、総会役員会と同委員会がこの事実を踏みにじったことだ。 再び公式手続きを通して再研究をするか、それとも総会決議が間違っていると公布し、異端擁護言論から削除するべきだった。 ところが何を恐れたのか歴代総会長たちは皆、あたかも何事もなかったように口を閉ざしてしまった。 このような総会と異端対策委員会の行為は単純に手続きに違反したのではなく、自分たちが自らの良心を偽り、1,500人の総会の総代をだまして、韓国教会をだました犯罪行為だ。


総会も、当時は知らずに決議したものだと主張するかもしれないが、その責任は避けられない。 まるで捜査機関が集団強盗事件を扱いながら、何の関係もない人を事件被疑者に追加して起訴し、刑を受けるようにしたも同然だ。 当事者は無実の獄中生活をしているのだ。 ところが、再捜査で過ちがないことが確認されたなら、当然措置を取って釈放し、悔しさを晴らすことが当然のことではないだろうか。 ところが、無罪の人を罪人にした総会の委員会や総会の委員会の虚偽報告を決議した総会も、誰一人責任を負う人がいないまま、13年にわたって閉じ込めたのだ。 こんな団体をどうしてキリスト教団体と言えるのか! さらに異端対策委員会は、さまざまな理由をつけて、両マスコミをさらに締め付けた。 これに激怒した教会連合新聞は総会を相手に裁判所に訴訟を提起し、最高裁は総会が不法を犯したという確定判決を下した。 大韓イエス教長老会統合教団は大韓民国憲法や法律を守らなくてもいい治外法権地帯なのか?


総会の不法でこれら2つのマスコミは精神的、物質的被害だけでなく、韓国のキリスト教界で異端擁護言論という汚点を被ったまま13年を過ごしてきた。 クリスチャントゥデイは設立者であるイム·ソンス社長(牧師)が退き、会社のすべての株式を社員に配分し、後を継いで現在リュ·ジェグァン氏が社長兼記者として勤務する典型的な社員中心会社として知られている。 2代目社長に就任した柳社長は、クリスチャントゥデイと職員たちの名誉回復のために、統合総会に第94回総会監査委員会の異端対策委員会報告のうち、関連内容に対する特別監査の結果についての事実確認を総会に要請し、第107回期総会長(イ・ソンチャン牧師)は上記のような違法事実があったことを認める確認書を送った。 総会が不法行為をしたことを認めたのである。 そして、クリスチャントゥデイに再審手続きを案内することにした。


何もしないよりはましだと言うかもしれないが、総会長のこのような仕事の処理の仕方は正当ではない。 総会が誤ったことが明らかになれば、まず被害を与えた当事者に謝罪からしなければならない。 そして決議解除の次元で、総会役員会の決議で不法にクリスチャントゥデイを異端擁護報道をした人たちに対する法的措置を取る一方、総会に当時の決議を自ら取り消す報告をしなければならない。 しかし、総会の最高責任者である総会長は、まるで自分たちは何の過ちもないかのように再審を案内することにしたと報告した。 再審を案内した? 罪のない人を罪人にして13年間獄中生活をさせ「釈放される方法を教えるから、自分で勝手にしろ」というやり方だ。 罪がなければ赦しを請うべき人は「罪に定めた人」であって、「冤罪を被った人」ではない。 ところが、再び審査を要請すれば、よく見て許すかどうかをするということだ。 このようなことを「盗人猛々しい」という。 「控訴取り下げ」という言葉も聞いたことがないのか。


クリスチャントゥデイは一体何をしたというので異端を擁護するメディアと呼ばれるのか? 総会の異端対策委員会は「統一協会を脱退してプロテスタントになった張在亨氏が設立したメディアだからだ」という。 それでは張在亨氏に対して、大韓イエス教長老会統合はどのような決定を下したのか。 「鋭意注視」だった。 異端でもなく似非でもなく、彼の行動を見守るという意味だ。 異端でもないのに、彼が作ったメディアを異端擁護言論だと断罪をした? あきれたことだ。 これが大韓イエス教長老会統合教団の異端対策委員会の過去の姿だった。


根拠もなく他の教会や団体を簡単に異端として断罪してきた大韓イエス教長老会統合も、韓国教界の半分以上が異端だと断罪したWCCの会員教団ではないか。 誰が誰を異端や異端擁護言論と呼ぶのか。 身内や権力者に対しては尻尾を下げ、弱者を見ると吠える犬のように、これまで浅はかな見識で他の教会や牧師を総会を利用してネズミのように扱ってきた統合総会の異端対策委員会は本当に反省しなければならない。 しかし、歴代の異端対策委員長を務めた人の一部は反省するどころか、某マスコミを通してキム·ウィシク総会長を批判しているので、同じ教団に属した牧師であることが恥ずかしいばかりだ。


今や大韓イエス教長老会統合総会は教会連合新聞が総会長の事実確認書もなしに最高裁に提訴し「第95回総会の異端対策委員会報告は無効」という判決を受けたが、クリスチャントゥデイに送った総会長の事実確認書まで加えられ、民事訴訟(損害賠償)を請求する場合、総会は莫大な賠償をしなければならない状況に置かれたのだ。 それにもかかわらず、第107回期総会長はクリスチャントゥデイに総会の不法を認める事実確認書を発行した。 このようにした理由は、今は赦しと和解をしなければならない時期だと判断したためだ。 そこで、このような事実を第108回総会役員会報告書にもそのまま記録し、報告した。


断罪の剣


「和解と癒やし」を総会テーマに掲げたキム·ウィシク総会長は、前任の総会長の深い意志を理解し、和解の手を差し出す心境でクリスチャントゥデイとのインタビューに応じたと見られる。 総会長のインタビューが非難されることか? 自分たちが犯した過ちを代わりに悔悟する気持ちで被害者に手を差し出したことが、果たして非難されることなのか問いたい。 このような内容については最初から言及せず、一部のマスコミがいわゆる異端鑑別士たちの口になって総会長のインタビューを非難している。 総会長を「異端言論擁護者」にしたいようだ。 確かに総会で「異端断罪」という最も強力な剣を持っている異端対策委員会の委員長を務めていた人々だから、総会長一人くらい異端擁護者にすることは簡単なことかもしれない。 しかし「天におられる方が見ておられる」ということは知っておくべきである。


キム·ウィシク総会長に向かって、あらゆる毒舌を浴びせたのがわずか数日前であり、時が来たと考えているようだ。 ある面では、このような報道(?)をする者たちは、キリスト教メディアの中で最も多くの読者を持つのがクリスチャントゥデイだから、これを機会に叩いているという側面もなくはないようだ。


安息日に病気を治したと、律法を犯したとイエス様を非難したパリサイ人たちが今日再び登場し、総会という権力を利用して罪のない者を誣告し苦痛を与えたことも足りず、不法を行った自分たちに代わって、過ちを認めて和解の手を差し出す総会長に向かって手続きに違反したと非難する姿から、昔も今も悪人たちはその中で持続的に悪を吐き出し、義人に向けた断罪が止まないことを見れば聖書が真理であると確認できる。


光の実はすべての善良さと義と真実にある。